musubi interview : 丸山 和博

所属:株式会社三企
役職:代表取締役

好きな食べ物:ケーキ全般 甘いもの
好きな芸能人:ヒュー・ジャックマン
好きな時間の過ごし方:
子供と戯れる時間
子育て真っ最中!子供がウジャウジャいて殆ど許されないけど、妻と2人のキセキの時間
新しい仲間との友情が芽生えた瞬間
仲間(会社のstaffも)と縁が深まった瞬間
家族構成:
妻ひとり・子供4人(長女12歳・次女8歳・長男3歳・三女0歳
少子化問題に居てもたってもいられず、子供5人までは頑張る!妻はメイン事業を経理として手伝ってくれています。

編集部より:
「熱い人」には二種類あります。
暑苦しくてなんか生理的に無理な人と、熱量は凄いけど嫌いになれず周囲が巻き込まれてしまうタイプです。

丸山さんは典型的な後者のタイプで、設備業を営む社長でありながら突然「おしぼりで世界を変えたい」と熱弁する彼に対して「はい?」と思いつつ巻き込まれてしまった人たちによってmusubi projectは構成されています。

一夫一妻制の日本で家族構成欄に「妻ひとり」と書く。ここに丸山さんのキャラクターが集約されているのではないでしょうか。

「妻ひとり」という四文字には、巨大な穴のような憎めない天然的な要素、自分の横にいる奥さんがちゃんと一人かどうかを確かめる緻密さや繊細さや用心深さ、なにか気になってその人の動向から目が離せないという吸引力、「いや、妻は普通一人でしょ」と気軽にツッコミを入れることができる大らかさ、「妻」という一文字を「妻ひとり」とナチュラルに四文字に増やしてしまう話の長さや熱量がすべて同居していて、「熱いなあ」と思いながら皆が吸い寄せられるように巻き込まれてしまう。

musubi project最大のエンジンでもあり、暴走機関車でもある丸山さんの「これはもうおしぼりじゃないよ」「で、このおしぼりなんだけどね」というトークから、今後も目が離せません。僕たちはmusubi projectを通じて必ずたどり着きます、何処かへ。ここではない何処かへ。

Q. まずは普段のお仕事について教えてください

株式会社三企の代表取締役です。建築設備全般に関わる、設計・施工・メンテナンスを行う総合設備会社になります。

父が創業した企業を事業承継しており、元々は下請けが多かったのですが、近年は職人が現場をマネージメント(経営)する取り組みを行っており、”営業(現場調査)→設計→見積→値段交渉→現場監理・安全管理→現場作業→引き渡し→書類管理→請求管理”までを一括して請け負う職人を養成してこれを競争力の源泉とすることで、企業価値を高めて元請け率や指名受注を獲得しています。

本来あまり「営業力」が問われない職人の世界で「営業力もある職人」を自前で創り出そうとしたことが、今回そもそもおしぼりに興味を持ってmusubiプロジェクトを始めた契機のひとつでもありました。

Q. musubiプロジェクトは丸山さんが発起人ですが、どうして本業とは180度違うおしぼりのビジネスを始められたのですか?

偶然が重なった、という印象ですね。

お仕事の繋がりの中でたまたまおしぼり業者さんとお会いしたのですが、最初にいま私たちが「musubi」「musubiプロジェクト」として使っているおしぼりを紹介された時は「厚手で上質なおしぼりだな」という以外の特別な感想は持ちませんでした。

ところが、その二日後、自分の母代わりの方が亡くなって、その通夜の会場であったセレモニーホールで、二日前に聞いた、「おしぼり」が目の前に配られたのです。

9年前に旅立った父を見送ったのと同じ会場で、なんとなく印象に残って「このおしぼり、良いですよね」と会場の方に声をかけたところ、ご好意で大量におしぼりを20個ぐらい分けてくださって…。そのままカバンに入れっぱなしにしていました。

するとまた二日後に転機が訪れます。
若手経営者が集まって現在の進捗を確認し合う会議に出席した際に、よくある「普通のおしぼり」と珈琲が配膳されたのです。
ふとカバンに「上質なおしぼり」が入っていることを思い出した私は、話のネタに両者のおしぼりを比較して「ここが違う」と仕入れたばかりの知識を披露したのですが、話しているうちに自分の中にバラバラとあった、以前からの断片的な思いが繋がっていく感覚がありました。

自社の建設業とは違う、何か「切れないビジネス」をして世の中に貢献したいという思い、情緒のある日本文化を世界に発信したいという思い、自分の思いや夢を人に伝えることの大切さ、人と人を繋げるということの大切さ、日本古来の人に物を贈り合うという文化の素晴らしさ…。

話しながら瞬間的にこれらの思いが「この上質なおしぼりを使って実現できる、誰かに届けることが出来るのでは無いか」という思いが湧き上がり、あとは手当たり次第に身近な人たちにこの感覚を話して、共感や反応を得た方を順番に巻き込んで(笑)今に至ります。

本業との親和性を考えた、何かシナジーがあったというよりは、たまたまご縁があってカバンに入っていたもので「世の中を少し変えられる、人の役に立つ仕事ができる、以前からの思いや夢を実現できる」と発見したというのがキッカケといえばキッカケになるかと思います。

Q. 改めて主催者・発起人である丸山さんの口から説明すると、musubiとは、musubiプロジェクトとはなんでしょうか?

人として生活をして、仕事をしている限り、誰かと関わらずに生きていくことは出来ません。
musubiはその人と「いま関わっている時間」をどれだけ濃密なものに出来るか、どれだけ高めることが出来るか、そのお手伝いをする存在だと思います。

musubiは「おしぼり」です。
「おしぼり」なんて別段今更、珍しいものでもなんでもないです。飲食店に行ったら出てくるし、コンビニでドーナツ買ったらついてくるものです。人は、そのように「おしぼり」に固定概念をもっているし、ウェットティッシュや汗拭きシートなどもその一種かもしれません。

でもそんなありがちな品物を、我々が工夫したmusubiというパッケージで粗品として人に贈ることで、私たちは新たな価値観や驚き、musubiを購入してくれたお客様とそれを受け取られたお客様との間に新しい会話や関係性を提供することができます。

粗品でタオルを貰う、ボールペンを貰う。
ありがたいけれど、それだけです。
特に驚きも新しい関係も、そこにはありません。

しかしmusubiなら、どんなに口下手な人でも「おしぼりをくれたんだ?粗品で?」という驚きが会話のキッカケを生みます。人にモノをあげる日本古来のおもてなし文化、ノベルティーの再構築です。おしぼり単体としてのクオリティの高さ、掃除道具など使用用途が多岐に渡る扱いやすさ、そして安価で誰にでも手に入るお得感はあるが「凄いものを貰ってしまった」という遠慮や後ろめたさが無いこと。

ただ、おしぼりを渡すだけで自然と会話が生まれ、相手との“出逢い”と“深まり”を確認し合え、興味をもったり人間性を確認し合える。縁が続いていく。これは私が身をもって日々経験しています。実感として、話し終えると相手との縁の深まりを感じる事ができますし、またこの方と「会うな」…という確かな実感を得て、頂いた名刺に体温を感じる事ができるのです。

Q. 熱いですね…。あまりのインタビューの熱さに思わず写真を挟んでしまいましたが、写真も結構熱かったです(笑)musubiの生みの親でもある丸山さんは普段musubiをどのように利用されていますか?

うちの会社の職人さん達は皆musubiを現場に持参しています。
本業では工事現場に立ち入ることが多いのですが、どうしても作業中に現場を汚してしまうことがあります。以前は雑巾を持参して、現場で汚れが出たら作業を中断して作業者に雑巾を取りに行き、水と洗剤を用意して雑巾でそれを拭き、使ったあとは持ち帰って雑巾を洗って干して、という作業を繰り返していました。

大きな声では言えませんが、雑巾は粗品で頂戴したタオルを使わせていただいてました(笑)

私たちは清掃業でも無いのに、これまでこの作業を当たり前と信じて疑わず、ずっと続けてきたのです。しかしmusubiを職人がポケットに持参していれば、作業を中段せずササッとその場で拭くことも出来ますし、現場での昼食時に他社の職人さんたちに配ることも、お客様と会う前に手を拭くことも、作業道具を手入れすることもできる。

これが文化です。

最も手先が汚れる仕事なのに手を洗う環境が無い。これを誰も疑問に思わず「外での仕事だから」と当たり前に感じていたのが私たちの業界だと思います。会社に聞けば雑巾を持って行きなさいと言われ、自腹でウェットティッシュや汗ふきシートを買うのも抵抗がある。そんな世界にmusubiを持ち込むだけで、現場や自分の身の回りを綺麗にするという文化やお客様との会話のキッカケをmusubiで作るという文化が出来た。職人がお客様から評価されるようになった。

この自社の小さな、だけど大きな変化をmusubiプロジェクトを通じて皆さんにも共感、シェアしていただきたいと思っています。

Q. ありがとうございます。最後に他のmusubiプロジェクトメンバーの印象を教えて貰えますか(笑)

島さん(株式会社ROOM810) >>
このmusubi projectに於いてのディレクションを担っていただいてます。
常に私の側にいることもあり、私の思いつきの熱風第1号を間近で受けてしまうのが島さんだと思います。

私の計画性に乏しく裸の感性で掘り出した”原料”を、多くの方が共感ができる”商品”へと変化をさせる高い編集能力を備えていると感じています。
私が言っているだけではただの“趣味や好み”となってしまうところが、島さんと交わる事でビジネスに変わります。
もともと、そーゆー事をお願いしていたワケでもなく、自然な流れでそうなってしまった感じなのですが(笑。
置かれた状況ごとのポジション取りが巧みだなぁ~といつも思います。
巻き込もうとし近づいて行くと、結果としていつもこちらが流されてしまいます(笑。

海東さん(株式会社オーシャンイースト) >>
このPROJECTでの、事業全体のプロテクトを相談した所から始まりました。
海東さんは様々な業種のプロフェッショナルと呼ばれる方々との人脈が豊富で、今降り注ぐ現実の仕分けについての処理能力が、私のスピードがカタツムリだとしたら、彼はサラブレットの様なスタートでどんどんスピードに乗り、爽快なるFinishを素晴らしいポーズで決めてくれるので、いつも不思議なのですが、相談しながら、自然と答えに導かれる事が多々あります。

丸山の努力ではどうにもならない事をいち早く見抜き、聞く前にデキル人を召喚してくれます。
それも、あっという間に!!
戦略家としても有能。
ボケッとしていたらいつも、おいて行かれる様な気がして心配です(笑。

伊藤さん(株式会社ROOM810) >>
musubiは、文化の再構築でありますが、現代に受け入れられるDesignでなければなりません。
おしぼりのテープに入れる企業シンボル作成は彼の得意とするところで、作成される様々な商品に対する「Designの見張り番」として、「とにかく見た目が大事である!」という観点での責任と意思を持って担ってくれています。
もともと、この構想が原点の時から私の長い話を親身に聞いてくれいたのも彼でした(笑。

「工事屋さんが何故におしぼり!?」
という視線から、自分説明不足を自覚する事が多々ありましたね。
弊社のロゴを作ってくれたのも伊藤さんなので、ほんわかと見え隠れする人のエネルギーを、目に見えるDesignに変える事ができる能力は、このprojectでの要です。

夏間さん(株式会社サンワ) >>
musubiのパッケージやマーケティングを担って頂いている逞しい女性経営者です。
もともと、より良い熨斗袋はないかと数ヶ月にもわたり模索していたときに、最後の手段でFacebookに投稿して、連絡をくれたのが彼女でした。
現在ラインナップされた商品群は、彼女がいなければ展開は出来てはいません。
いつも、女性ならではの鋭くしなやかなご意見も頂ける事も有難く思っています。
また、私が考えているmusubiのイメージが庶民的過ぎると自覚してしまうくらい、夏間さんの捉え方は常に飛躍していて、musubiミッションの将来を大きく変えていく道筋を作っていくのも夏間さんだとみています(笑。

黒木さん(日本ラインファースト株式会社) >>
私はよく道に迷います(笑。
そもそも建設業ですので、分野違いでもありますし、小売りなどはアルバイトすらやった事がありません。 工場見学からの出逢いからここまで、いまあるカタチの〈おしぼり〉を教えてくれたのが黒木さんでした。
その中から沢山のアドバイスやヒントをもらい、道しるべとなりました。
多くの〈おしぼり〉事業と関わるプロなので、musubi事業が他と違って面白い!と言ってくれる事が、嬉しく思うし事業の推進力となっています。

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